こんにちは。yasuです。

今日もリサーチャーとしてのキャリアを考えるシリーズ第5弾として、定量リサーチャーのキャリアの深め方を書きたいと思います。

これまでのシリーズは以下のURLから飛んでください。

過去
  1. 第1弾「リサーチャーとしてのキャリアを考える①~リサーチャーとして働くとは?~」(https://www.happy-carrer.com/blog/336
  2. 第2弾「リサーチャーとしてのキャリアを考える②~リサーチャーとして成長するには?~」(https://www.happy-carrer.com/blog/338
  3. 第3弾「リサーチャーとしてのキャリアを考える③~どんなリサーチャーになりたいか?~」(https://www.happy-carrer.com/blog/342
  4. 第4弾「リサーチャーとしてのキャリアを考える④~定量リサーチャーのキャリアの深め方~【追記あり】」(https://www.happy-carrer.com/blog/344

リサーチャーのコアスキルとは

さて第4弾を投稿したあとに多くの方から、定量リサーチャーのキャリアの深め方としてあげた16項目の順番に質問がありました。その16項目とは以下です。

  1. 調査票作成
  2. データクリーニング
  3. クロス集計(+ウェイトバック集計)
  4. グラフ作成
  5. ファクトベースのコメント作成
  6. サマリ作成
  7. 報告書作成
  8. コレスポンデンス分析
  9. PSM分析
  10. ポートフォリオ分析
  11. アフターコーディング
  12. 調査設計
  13. 案件管理
  14. クライアント対応
  15. ネットアンケート以外の調査手法(HUTやCLT)の運用
  16. 多変量解析(因子分析、クラスタ分析、主成分分析、重回帰分析、コンジョイント分析、共分散構造分析)

このステップでスキルアップをしていきましょうと書いたのですが、多くの調査会社ではリサーチャーのジュニアには3~11を担当してもらうことが多いでしょう。また、分業化しているところも多いです。

で、3~11もリサーチャーとしては必要なスキルではあるのですが私の考えるリサーチャーのコア業務というのは以下なのです。

そう、リサーチャーのスキルアップの方法としては集計やグラフ作成、分析業務などいろんなアプローチはありますが、そこだけを業務として担当しているのであればリサーチャーでなくても対応はできてしまうのです。

実際に、分業化が進んでおり、外注化することもできます。また、社内でアルバイトを雇用して対応している会社もあるほどです。

つまり、私が言いたいのはリサーチャーのキャリアとしての第一歩は、調査背景や調査目的を理解した上で「誰に何をどうやって聴くか」を整理しまとめて言語化し、それを設計に落とせるかということです。そう、定量リサーチャーであれば調査票を作成するということがキャリアのスタートになるのです。

ですので、定量リサーチャーとしてキャリアをスタートしたいのであれば、早々に「調査票作成」の経験を積むことです。報告書作成業務の経験を積むことは全然マイナスではないですが、サポート役という側面が強いです。サポートリサーチャーとか、リサーチディレクターとか、ジュニアリサーチャーとか、会社によってはネーミングは異なるかもしれないですね。

定量リサーチャーとしてのキャリアの発展性

さて、定量リサーチャーとして発展性を考えると、大きくは3つほど考えられます。

定量リサーチャーの発展性
  1. 業界特化
  2. グローバル
  3. 多変量解析の専門性

まあ、これは定量リサーチャーとしてというか、ビジネスパーソンのキャリアの発展性とも似ているような気はしますが、1つは業界特化というところで、自動車、IT、ゲーム、医療などは専門性と市場のニーズは特に高いように思います。

例えば、自動車であれば車種や部品、メーカーなど知らないと調査票作成や設計、分析を進めていくにあたり苦労するでしょう。ITやゲームも単語で躓く人も多いですし、技術にキャッチアップしていくことも大変です。

そして、医療については医療専門の調査会社があるほどです。特に医師へのリサーチは非常に難易度が高く、疾患の知識だけでなく、薬剤、標準治療、医療行政についても知識がないとそもそも手が付けられません。

抗がん剤でプラチナ製剤というものがありますが、シスプラチン、カルボプラチンなど覚えていないとクライアントとも話にならないです。それだけ専門性が高いのです。

例示した自動車、IT、ゲーム、医療に限らず業界に特化あるいは強化していくことで、その人の定量リサーチャーとしてのキャリアに深みが出ていくことでしょう。

グローバルの定量リサーチャーとして

最近ではあまり言われなくなってきましたが「グローバル人材」という言葉が流行っていました。今も使われると思うのですが、日本は少子高齢化ということもあり、日本の消費市場に今後期待できないという話もあります。そうした中で多くの企業はグローバル展開をしていくのですが、それに合わせて日系企業のグローバルリサーチの需要は多くなっています。

JMRAの経営業務実態調査(https://www.jmra-net.or.jp/activities/trend/investigation/20220823.html)によれば、コロナ禍の影響もあって売上は低下傾向であるが、復活していくだろうということです。

なんだか受注額とか発注額の数字が表とコメントであっていないような気もしますが、今回はそこは無視します。ポイントとしてはグローバル化への対応は一つの方向性ということが理解してもらえればOKなので。

グローバルで活躍できる定量リサーチャーというのは、英語をビジネスシーンにおいて運用できるだけでなく、異文化への理解や受容など「グローバル化」と一言で言うには言い尽くせないほどの難易度の高さがあります。

あとは、日本国内と海外ではトラブルの度合いも全然違いますからね(笑)

多変量解析の専門性

そして最後ですが、多変量解析の専門性の確立ですね。因子分析・クラスタ分析・主成分分析・重回帰分析・ロジスティック回帰分析・共分散構造分析など頻繁に使用するものからあまり依頼のないものまでたくさん分析手法はありますが、これらに強みを持っていることは定量リサーチャーとして価値あるものでしょう。

やはり統計知識をもっているということは非常に専門性が高いことですし、昨今では刀の森岡さんの登場もあって数学的なアプローチは注目されています。私も何度かNBDモデルをやったことはありますが、かなり勉強していないと活用は難しいというのが実感です。

それから検定というのもあります。検定は多変量解析に分類はされないのですが、専門性は高いです。ただ、検定だけで食っていけるほどの需要はありません。

ちなみにデータサイエンティストはリサーチャーというよりも別の職種かなと考えているので、ここでは記載しません。

まとめ

というわけで、今回はここまでとしたいと思いますが、定量リサーチャーのキャリアを発展性を考えると、①業界特化、②グローバルリサーチ、③多変量解析の専門性、の3つが大きくは考えられるでしょう。

ほな

さよなら三角また来て四角

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事