こんにちは、yasuです。
私は調査業界で働いているのですが、クライアントは企業様です。私のような働き方をする業態は「クライアントワーク」というのです。
このクライアントワークの業態で働いている人でたまに職人気質の人がいらっしゃいまして、クライアントの意見を全否定してクレームをいただくような方がいらっしゃるんですね。
Twitterでもこのような例があがっています。
このツイ主の方はコンサル業界で働いている方でして、私と同様にクライアントワークの方です。
ちなみに、M=マネージャー、P=パートナーという役職(職位)でございます。
クライアントワークの本質はサービス業
で、上記の流れのようなことがクライアントワークの会社内でたびたび発生するのです。
調査業界でいうと、いわゆるベテランのリサーチャーが設計した調査設計に対して、クライアントが「できればこうしたい」「こういう結果が見たい」と依頼してきた際に、全力で否定するんですね。
確かに、クライアントの言っていることが無理筋だったり、費用の観点からできないことだったり、本質からずれたことを言っている場合もあるんですが、まあ対応できることがほとんどです。
そして、対応できなかったとしても理論的にできないことを理解してもらう努力をする必要があるんですよね。クライアントワークの本質はサービス業であって、クライアントに満足してもらい、その働きに対して報酬をいただくことができるんですよね。
すごく当たり前なんですが、クライアントワークで長年働いている人はこのことを忘れてしまい、なぜか「クライアントは分かっていない」「クライアントは不勉強だ」などと言ってしまうのです。確かにそうかもしれませんが、それを表立って顧客に対して言うべきことではないですし、言うのであれば匿名アカでTwitterでぼやくなり、仲間内の飲み会で愚痴を言えばいいだけなのです。
アウトプットはクライアントの意向を踏まえること
そして上記のTwitterの例でいうと、クライアントからクレームが入った時点でまずは自分の感情を抑えて事態収拾をすべきですし、不満を持たれたポイントを整理して改善に向けた取り組みをしていかなくてはいけないのです。
まあ、実際に炎上の渦中にある人はなかなか感情的に切り替えられないかもしれませんが、プロフェッショナルとして対応しなくてはいけないのですよね。
そして一番ダメなのはどんなにクライアントが悪くても、「クライアントが悪いんです!自分は全く悪くない!」って言ってしまう、あるいは態度に出してしまうのは本当によくないことです。単純に自分の価値を下げているだけですね。言ってしまえば、炎上対応してもらっている人に尻を拭いてもらっている状況ですから、自分がどういう意図でアウトプットしたのかの整理をして炎上対応の人に最大限協力する必要があるのです。
クライアントが認めないアウトプットはどこまでいってもただのごみ
最後にクライアントワークで働く人が一番理解すべきことは、クライアントが認めないアウトプットはただのごみです。どんなにページ数を増やしても、色鮮やかにアウトプットを作成しても、クライアントに理解されないのであればただのごみです。
そして調査業界は往々にして紙で印刷することが多いので、そんな無駄なゴミを大量に作成するなんて地球環境を壊しているだけのものでしかないのです。時代に逆行です(笑)
まあ、冗談はさておき、クライアントワークは職人の業ではなく、ただのサービス業なのです。そこを胸に刻む必要があります。
職人気質が生まれるメカニズム
さて、クライアントワークはサービス業であるという理解が重要だ!っていう精神的な話をしましたが、どうしてクライアントワークの業態でそうした職人然とした人が生まれるのか簡単に解説したいと思います。
1、自分が知的労働により作成したものが納品物となる
2、その納品物をもとにクライアントが意思決定をする
3、1-2のプロセスを何度も繰り返すことで全能感が醸成される
4、自分は偉いんだ!という「先生」感が強くなる
上記の1~4のプロセスを何度も何度も繰り返されることにより、業界歴が中途半端に長い人ほどこじらせてしまうのです。ただ、これはどんな人でも起こりうる「ガン」のようなものです。
対処方法としては、
1、自分はサービス業であると自覚すること
2、常に正しい正解はないということ
3、我々は正解を提供するのではなく支援をする立場であるということ
これらを常に忘れずに心に刻んでおくことでしょう。
私の好きな漫画「ARMS」の有名なセリフを紹介します。
カップに注げばカップの形に・・・
ARMS12巻 高槻巌のセリフ
ケトルに注げばケトルの形に・・・
状況に合わせていかなる姿にも変わる”水”
あらゆる物を映し、あらゆる物を呑み込む
されど常にその本質は変わる事はない
それが水だよ
私は調査業界で生きているものですので、私が提供する価値は「消費者理解を通じた意思決定につながる示唆」であります。
納品物がローデータ、集計表、報告書などのどの形態であっても上記の提供する価値は変わりません。ここを忘れて自分で好き勝手にアウトプットしてもそれはただの自己満足であり、マスターベーションに過ぎないのです。プロとして生きるというのはそういうことなのです。。。
ということで下記の記事も参考にしてください。
前回の記事:「給料をもらう」思考から「お金を稼ぐ」思考にパラダイムシフトすることの大切さ
ほな
さよなら三角また来て四角