こんにちは、yasuです。

今回はちょっとシビアな話をしてみようと思います。転職って基本的に前向きな印象で表向き語られることが多いが、本当はどろどろとした不満が多いと思う。

これは私もそうだったからよく分かる。ただ、不満というのは給与が低い、正当な評価がされていないなど、自分が出してきた成果や努力に対して会社側からの評価とのギャップが大きいときに生まれるものである。

そのギャップが自身への過大評価なのか、はたまた会社側の過小評価なのかはここでは語らないが往々にして転職を「不満」という側面から語る場合は、転職候補者は比較的ある程度優秀だという自負があるはず。でなければ、そこまで強く言えない。

この不満に関しては、私は一定の理解ができるし、ビジネスパーソンとして成果に対する対価は求めるべきだと思う。従って、この不満については私が採用担当だったときにはマイナス評価はしなかった。どういう成果を出してきて、どういうプロセスで再現性のあるものかで確認をするようにしてきた。

一方で、私が管理職をしていてメンバーの育成やアサインなどの組織運営に携わってきたときに見られた不満としては、〇〇さんが朝来ても挨拶をしない、マネージャーがお昼も仕事しているから昼休みが取りづらい、〇〇さんは私のことを嫌っている、という私にとって理解しがたいものも多かった。さらにこういう人は自分のミスであっても、誰かのせいにしたりと自分にとっては理解のしがたい行動が多かった。

こうした行動をみて、仕事を「座っていればお金が入るもの」と捉えている人が一定数いるし、自分のスキルを上げていこうとか、できることを増やしていこうと思わない人もいるんだなって改めて痛感しました。ただ、こういう人らはこういう人らで波風立てることなく接していけばいいのだたなとは感じたのです。

自分と合わない仕事を一生懸命やって苦しむ人

一方で、自分の部下で調査業界を10年以上やっていても全くリサーチャーという仕事に向いていない人もいた。10年以上もこの業界をやっているので、ある程度の対応はできるものだと思っていたが、全くできない。

どのくらいできないか?というと、例えば

アンケート調査では「スクリーニング調査」と「本調査」という大きな2つのパートがあるのだが、スクリーニング調査とは対象となる人を抽出(選別)するための調査と思って欲しい。このスクリーニング調査を通過した人に対して、本当に聞きたいことを聞くのが「本調査」というものなのである。

なぜ、スクリーニングするか?って。そんなの女性用品の満足度を聴きたいのに男性にアンケートをとっても仕方ないでしょ?なので本調査の質問に回答できるであろう人を選別するのです。

で、そのリサーチャーに向いていない人を便宜上Aさんとしますが、そのAさんはお酒のこと聞くアンケートで、お酒に強くない人をはじきたいということでスクリーニング調査のアンケートを作っていたのです。で、そのスクリーニングするための質問でこのように聞いたのです。

質問:あなたが苦手とするお酒は何度ですか。
1、6度未満
2、7度
3、8度
4、9度
5、10度以上

この質問で4より大きい選択肢番号を選んだ人は対象外という形で作っていたのです。

・・・・

これの何が問題ってほとんどの人回答できないでしょ。まずお酒の度数を覚えているのか?という話だし、1度刻みもさらに難しい。ちなみにビールは5度あたりなので選択肢だと1番くらい。また、ビールは苦手だけど焼酎ならいけるとか、ワインは苦手だけど日本酒はOKとかお酒って結構いろいろと複雑だし、嗜好性もある。

なので、お酒に強くない人をはじきたいのであれば、

質問:お酒について、あなた自身に最もあてはまるものはどれですか。
1、飲むとアレルギーなどが出てしまう
2、飲むことはできるが、1杯程度
3、人並みに嗜むことはできるが強くはない
4、人並みに飲むことはでき、お酒の強さは普通
5、人並み以上に飲むことはできる
6、そもそもお酒を飲んだことがないので分からない
みたいな感じで自認の程度と体の反応度合いに置き換えて1番、2番、6番などを対象外にしてしまう方が回答者としても回答しやすかろうというわけです。

で、別にこの辺は慣れの問題だったりするので、若手であればまあまあ勉強してくだされとは思うものの10年選手となってきて、結構真面目に主張してくるのです。

他にもExcelでvlookup関数の参照元がずれていたり、50ページの報告書に60個くらいエラーがあったり、結論ファーストでなかったり、そもそも報告書を納品するのが仕事であるにも関わらず納品のプレッシャーに負けて執務室で体調不良を起こすなど

結構なトラブルを起こす人だったのです。

でも、一応部下だったのでいろいろと話を聞いていると、
・10年以上この仕事をしているからこの仕事以外知らない
・転職経験はあるが就職氷河期を経験しているので正規雇用への執着が強い
・間違いを指摘されたとき自分は頑張っていることを主張するのは上司に良い印象をもってもらいたいから
・自分が能力低いのを十分理解しているからクビにならないように上司の顔色をうかがう
・実は前職でパワハラを受けてうつ病を発症していた
・おそらく発達障害を持っている

こういうことが分かってきました。私も何とかその人がその会社でいられるように支援もしたし、手を尽くしてきましたが、結局私がその会社を退職した後に辞められた(おそらくほぼクビ状態)と聞きました。

一度、二人で腹割って話をしたとき、私は彼にリサーチャーという仕事に向いていないんじゃないか?という話をしました。大手の調査会社を含め何回か転職経験はあったので、そのたび同様のトラブルを起こしていたことを考えると会社というよりかはリサーチャーという仕事に向いていないのではないかという私の結論だったのです。

実際に彼はリサーチャーという職業を辞めて他の仕事を検討したこともあったそうです。検討した内容は風俗店のキャッチだったり、キャバクラのボーイだったり、それを奥さんに相談したりもしたそうです。当然ながら反対されたそうですが、、、

給与の面や正規雇用であるなどの待遇面を考えれば、確かにリサーチャーという仕事をしていた方がいいかもしれません。でも、その仕事を一生懸命することで、精神的に病んでしまうような状態に陥ったり、会社の執務スペースで体調不良を繰り返すようでは人生そのものを壊してしまいます。

自分の命を削ってまでやるべき仕事はないと思います。もしあるとするならば、それは今のウクライナを守ろうとする兵士たちくらいかもしれません。どんなに崇高な理念を掲げても仕事はしょせん仕事です。会社が社員の人生を面倒見てくれるわけではないのです。

そう考えた時に、自分の適正を考えて仕事を選び、きちんと生活できる環境って必要だなって思うのです。人はそれぞれ個性があって同じじゃないからこそ、意味があるが企業だと利益を追求するため一定の水準は求められる。その水準に外れたからと言ってその人自体が否定されるわけではないのです。その会社では合わなかったけど、他では働くことができる社会にすることが重要なんですよね。

ホリエモンの言い方は人によってはトゲがあるように聞こえるけれど、適正のない人に無理やり頑張らせるよりかは別の道で生きてもらう方が本人にとっても周囲の人にとっても良いというのは本当にその通りです。

いざとなればどこでだって生きていけるという感覚

さて、上記で書いたようにどうして私の部下はそこまで正規雇用にこだわり、自分の体調や命を削るように働いてまで、クビにされないようにしたのか?

それは今の会社を辞めたら転職できない、生活できないという恐怖感だと考えられる。
例えばこの記事(https://jp.reuters.com/article/jpopinion/idJPTYE82601I20120307?sp=true

日本では、一度退職すると容易に次の職が見つけられないし、転職すると税制や企業年金も不利になる。こういう状況では、現状にしがみつこうとするのは無理からぬことだ。グローバル化のもとでは、成長分野にシフトしないと雇用機会が増えないが、今の日本の状況はその流れに反している。

ロイター通信、大田弘子氏の提言

このような指摘は至極もっともである。特に自分には仕事でのスキルや能力が足りないと自覚している人ならなおさら職場を失うことの恐怖は大きいだろう。

ただ、企業に彼らの生活の安定を求めるのはそもそも間違いで、それは政府がセーフティーネットを充実させるべき問題なのである。そのためには、解雇規制の緩和、終身雇用制と年功序列の廃止は断行していかないと多くの人を不幸にしていくだろう。

そして重要なことは自分にとって幸せな時間をたくさん作るということである。そのために自分にとっての幸せなキャリアとは何かを見つめ直さなければいけません。新卒の頃に考えていた幸せなキャリアなんか1年、2年経ったら変わって当然。結婚したり、昇進したり、転職したり、親が介護状態になったり、いろんなライフイベントがある中で常々幸せなキャリアはうつろいゆくのです。

だからこそ、自分の心と向き合わなければいけません(https://www.happy-carrer.com/blog/131)。

特に自分は何に怒っているのか、悲しんでいるのかのネガティブ感情を理解することは重要です。

幸せなキャリアの戦略論「幸せなキャリアを考える」

そう伝えたいことはタイトルの通りで、いろいろと考えてこの仕事は自分に向いていないなと感じたら別の仕事に切り替えた方が幸せなキャリアを描けます。年収ややりがいだけが全てではありません。何が大切かは人それぞれで違うのです。

羨ましいと思う誰かの人生を歩むのではなく、自分が心安らぐ、ワクワクするような健康な人生を歩むことが幸せなキャリアと言えると私は思います。

ちなみに、途中で出てきたAさんですが、フィクションくらいに思っておいてください。

私へのキャリア相談は下記から!
https://coachee-hr.com/shares/detailPlan/?pi=3052060090813991

ほな

さよなら三角また来て四角

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