こんにちは、yasuです。

Twitterでなるほどと思うtweetがあったので、紹介とそれについて考察をしてみました。

このtweetは本当に含蓄のあるものだと感じます。

数値の見方

さて、tweetで紹介されている通り、同じ3%でも10,000の3%と、1,000,000,000の3%だと全く話が違うというのは誰だって理解できるだろう。

私の仕事ではアンケートの集計・分析を頻繁に行います。
例えば、30代の働く女性100人にとある商品コンセプトAの受容性を把握するというものがあったと仮定しよう。コンセプトとは、簡単に説明すると、ある困りごとに対してこういうアプローチでその困りごとを解決しますよ!っていうのを簡単にまとめたものである。
アンケートでは以下のように聴くことが多いです。


設問文:以下の商品説明をよく読み、あなたのお考えと最も近いものをお知らせください。

商品Aの説明

選択肢
1、ぜひ利用したい
2、やや利用したい
3、どちらともいえない
4、あまり利用したくない
5、全く利用したくない


これで、選択肢1の回答をTOP Boxとして扱い、選択肢1と2の回答割合の合計をTOP2 Boxとして扱います。だいたいはTOP2のスコアを見て、それが30%(今回だと100人中30人が選択肢1または2を選択)を超えるといいのではないか、と捉えたりします。これは各会社で考え方が異なるので、一概にどの値がいいとは明言できません。

こうしたコンセプトをいくつか見せて、どのコンセプトが良いと議論するのです。
商品AのTOP2:30%
商品BのTOP2:35%
商品CのTOP2:28%
商品DのTOP2:40%
商品EのTOP2:41%
という形で比較してどの商品を上市(商品化するという意味)するかと決めていくのです。

さて、上記の商品A~Eでどのコンセプトがより良いのか?となると、スコアの話からすると商品Eだけになると多くの人は考えるでしょうが、そうとは言い切れないのです。

30代の働く女性は100人しかいないというわけではなく、日本を見渡してもたくさんいます。しかし、日本全国の働く女性全員にアンケートを取ることなど不可能なので、無作為に30代の働く女性を100人選んでアンケートの回答をしてもらうのです。

この無作為に選んでアンケートに回答してもらうということを標本調査と言います。それに対して全員に聞くものは全数調査と言います。この無作為に選ぶという行為で、回答する100人が異なるわけなので、上記のTOP2スコアが変わってしまう可能性があるということです。

こうしたスコアの揺れを標本による誤差ということで標本誤差というのです。
この標本誤差は全数調査でない限り必ず付きまとう誤差なので仕方ないのですが、要は上記の商品EだとTOP2だと41%だけど、実は±9~10%程度の範囲で誤差が生まれるというものなのです。そうすると、他の商品と大差がなくなってくるのです。

とはいえ、他の商品も100サンプル程度であれば、上記の結果であればだいたい±9~10%程度の誤差があるので、スコアの幅を考えると商品Dと商品Eが候補としてあがるのではないか?という話なのです。

まあ、この辺は感覚的にも商品Dと商品Eがいいけれど、この1%の差ってどうなの?ことが議論になってくるんですよね。そうしたときに次は検定という統計処理をしていくのです。簡単にいうと、この1%の差は統計的に見て有意な差なのかどうかということです。偶然なのかそうでないのか?という話です。これはこれでかなり難しい話なので今回は割愛します。

で、この標本誤差や1%の差が有意かそうでないかは何に影響を受けるのか?という話ですが、それは標本数です。何人にアンケートを取るかという話です。100人よりも200人、200人よりも400人、400人よりも1,000人にアンケートを取る方がその誤差は小さくなるという話なんです。

これは感覚的にも分かりますよね。

量と率の話

さて、先ほどの話を振り返ってみると、何パーセントかを議論する前にその分母の数がどの程度であるかを確認しましょうという話なのです。これは「率」の話をする前に「量」に着目しましょうということです。

「量質転化」という言葉がありますが、量をこなしていくと質に転化していくという意味で、品質を良くするには量が重要だということです。ベテラン勢が「経験則から話をすると」という切り口で話をし始めることがありますが、これはその人が一定の量を経験しているからできるということでもあります。

ということで、「量」が重要なんだって思った人もいるかもしれませんが、確かにそうですがもちろん「率」も重要です。

例えば、市場シェアの話が一番理解しやすいのですが、以下の記事を参考に話を考えます。
https://deallab.info/softdrink/

この記事をみると、清涼飲料会社の世界市場のシェアを出しているのですが、コカ・コーラがトップで6.6%を占めているわけなんですよ。で、ペプシコーラは6.3%で2位と続くわけなんですが、これアンケートの結果だと6.6%と6.3%の比較をするとすぐに超えられるじゃんって思うかもしれませんが、売上高でのシェアということですので0.1%の壁って相当大きいのです。

で、率の話なんですが、これはだいたい市場のどれくらいを占有しているのかという話や、量で比較するとわかりづらいので簡単にするというときに使います。

例えばアンケートで10,000人の人に聞いて

商品AのTOP2:6,843人
商品BのTOP2:6,749人
商品CのTOP2:5,794人
商品DのTOP2:6,249人
商品EのTOP2:6,853人

という回答者数で見せられると、分かるような分からないような感覚になりませんか?

他にもある商品について
認知率:83%
購入率:40%
再購入率:23%

という話と
認知者:8,763,486人
購入者:4,697,320人
再購入者:2,673,594人

とでは、後者の方が数字が大きすぎて人間では理解できないものなのです。

他には、商品の毎月の不良品率が9%から6%に改善したいって話と、136,749個から36,425個に改善したいって話だと、パッと理解できるのは前者だと思うのです。

つまり、量は大切だけど率もきちんと大切ですし、どちらもその性質をよく理解して数字を扱わなくてはいけないのです。

こうした数値の扱い方というのは、ビジネスパーソンとしてできるだけ早い段階で理解しておいた方がいいです。それを理解するには自分で数値を作ってその数値がどういう意味合いのものかを体感する必要があるのです。

なのでExcelを若手のうちは使いこなせるようになるといいと思います。
私の記事はこちら(https://www.happy-carrer.com/blog/166

転職活動でも使えるこの話

で、このおっさんはひたすら「量」や「率」の話を延々と転職関連のブログでつぶやいているんだって話なんですが、私はこの辺の話を理解した上で自分の取組を面接で説明してきました。

例えば、

私は業務において、4半期の売上目標を達成するために案件本数を25本を目標にして、1本あたりの平均単価を100万円と設定して取り組んできました。この設定は小規模の案件を効率よくこなすことで達成の条件となります。

この目標が達成できるようになると与えられる売上目標がどんどん高くなるので、平均単価をそのままにしていては達成できないので平均単価を3倍にして案件本数を15本として取り組むようにしました。そうすると2,500万円の目標が4,500万円となり金額はあがります。

このときの取り組み方は今までよりも効率化できるもの、例えばパターンのあるものを自分の中で類型化して取り組むことができるようにすれば、自分の過去の経験で対応できるようになるので時間も工数もかからず対応が可能です。一方で、それだけでは自分のリサーチャーとしての力量が高まらないので、「考える」ことにフォーカスした案件も取れるように企画力を強化していこうという方向も一方でありました。

結果として、目標は達成し、一方で企画力を鍛えたことにより、最初の2,500万円のときの受注率が30%程度だったのに対して、4,500万円のときは80%を超えるようになりました。

という形でアピールしたりもできます(長いので全部伝えることはしませんが)。
ただ、この考え方は重要で数値をおくことで、その数値を達成するためにはどう行動すればいいのかを具体的に考えられるようになるのです。

「量」と「率」の考え方が分かっていれば、数値感覚も鋭くなり、より戦略的に行動できるのです。

書類選考で100社出して50社通り、50社中面接通過率は2社となると、その歩留まりは50%(50/100)、4%(2/50)となるので、その人の課題は面接にあるんだなってことが理解できます。

ビジネスパーソンは数値で自分の成果や行動を語るべし

他にも業務改善にも使えるのです。

例えば、営業数字がうまくいかないという時に、なぜ営業数字で目標達成できないのか?ということを考えてみます。

1、リスト
2、アプローチ(電話)
3、アポイント・接触
4、商談・提案
5、受注!

という5つのステータスで簡単に考えてみましょう。これを数字で分かりやすくします。

1リスト1,000
2アプローチ(電話)400
3アポイント・接触200
4商談・提案100
5受注30

というケースの場合、
1→2 40%(400/1000)
2→3 50%(200/400)
3→4 50%(100/200)
4→5 30%(30/100)
という形でそれぞれのステージから次のステージへの移行率(歩留まり)を出すのです。
すると、4→5が最もスコアが悪いので、この人の課題は提案力なんですよね。
なので、業務改善をして、成果を出すためには、提案力を磨きましょうということです。

また、1→2も改善できれば、他のスコアが同じであっても件数が上がるので、成果を出すという意味では非常に効果的と言えますね。


例えば、1→2を10%改善できたとしたら

1→2 50%(500/1000)
2→3 50%(250/500)
3→4 50%(125/250)
4→5 30%(38/125)

という感じですね。

ただ、提案力を磨きましょうという話だと考えるレベルが高くなり取るべき行動も難易度があがるため、成果を出すには時間がかかる可能性が高くなります。そうなると短期的に成果を求められるような職場では、営業の組織としては、<アポ件数>をKPIにするところが多いのです。


悪いことだとは言いませんが、量を追うことになるので無駄打ちが多くなってしまい、結果として営業スタッフの時間がとられてしまい、ブラック企業化しやすくなりますね。この辺のバランスがかなり重要なんですよね。。。。

ということで、今回は長くなってしまいましたが、数値を意識するということの大切さをまとめてみました。

ほな

さよなら三角また来て四角

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事